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まだ見ぬ深海の生物や、現象等をレポ-トします。
メモリュウグウノツカイメモ
リュウグウノツカイ   和名:竜宮の遣い 学名:Regalecus glesne syn. Regalecus russelii アカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する魚類の1種。 リュウグウノツカイ属に含まれる唯一の種とされている ▼分布・生態   アメリカ西海岸に漂着した個体。本種は古くから知られてきた深海魚の1種で、その大きさと特異な形態から人々に強い印象を残してきたリュウグウノツカイは太平洋・インド洋・大西洋など、世界中の海の外洋に幅広く分布する。 海底から離れた中層を漂い、群れを作らずに単独で生活する深海魚である。 本来の生息域は陸から離れた外洋の深海であり、人前に姿を現すことは滅多にないが、特徴的な姿は図鑑などでよく知られている。 実際に生きて泳いでいる姿を撮影した映像記録は非常に乏しく、生態についてはほとんどわかっていない。 通常は全身をほとんど直立させた状態で静止しており、移動するときには体を斜めに傾け、長い背鰭を波打たせるようにして泳ぐと考えられている。 食性は胃内容物の調査によりプランクトン食性と推測され、オキアミなどの甲殻類を主に捕食している。 本種は5mを超えることもある大型の魚類であり、外洋性のサメ類を除き捕食されることは稀とみられる。卵は浮性卵で、海中を浮遊しながら発生し、孵化後の仔魚は外洋の海面近くでプランクトンを餌として成長する。稚魚は成長に従って水深200-1000mほどの、深海の中層へ移動するとみられる。 写真:カメラマンとリュウグウノツカイ     ▼形態 鬣のような背鰭の鰭条、オール状で細長い腹鰭など際立った外観をもつリュウグウノツカイは全身が銀白色で、薄灰〜薄青色の線条が側線の上下に互い違いに並ぶ。背鰭・胸鰭・腹鰭の鰭条は鮮やかな紅色を呈し、和名である「竜宮の遣い」にふさわしい外見となっている。 全長は3mほどであることが多いが、最大では11m、体重272kgに達した個体が報告されており、硬骨魚類の中では世界最長である。 体は左右から押しつぶされたように平たく側扁し、タチウオのように薄く細長い。 体高が最も高いのは頭部で、尾端に向かって先細りとなる。下顎がやや前方に突出し、口は斜め上に向かって開く。鱗・歯・鰾をもたない。   鰓耙は40-58本と多く、近縁の Agrostichthys 属(8-10本)との鑑別点となっている。 椎骨は143-170個。背鰭の基底は長く吻の後端から始まり、尾端まで連続する。すべて軟条であり鰭条数は260-412本と多く、先頭の6-10軟条は鬣のように細長く伸びる。 腹鰭の鰭条は左右1本ずつしかなく、糸のように著しく長く発達する。 腹鰭の先端はオール状に膨らみ、本種の英名の1つである「Oarfish」の由来となっている。 この膨らんだ部分には多数の化学受容器が存在することがわかっており、餌生物の存在を探知する機能をもつと考えられている。尾鰭は非常に小さく、臀鰭はもたない。 写真:浜辺に打ち上げられたリュウグウノツカイ   ▼人間との関わり 1860年に描かれた漂着個体のスケッチリュウグウノツカイはそのインパクトの強い外見から、西洋諸国におけるシーサーペントなど、世界各地の巨大生物伝説のもとになったと考えられている。 その存在は古くから知られており、ヨーロッパでは「ニシンの王(King of Herrings)」と呼ばれ、漁の成否を占う前兆と位置付けられていた。 属名の Regalecus もこの伝承に由来し、ラテン語の「regalis (王)」と「alex (ニシン)」を合わせたものとなっている。 日本では和名の通り龍宮伝説の一部として、あるいは人魚として伝えられた。通常は深海に生息しているが、波浪に巻き上げられるなどして弱った個体がまれに沿岸域に姿を現す。海岸に打ち上げられたり、漁網に混獲されたりした例がニュースとして報道されることもある。2010年に石川県沿岸の日本海から、多くの個体が浜辺に打ち上げられ話題となった。尚、その時に食された何人かの証言によると、本種の肉は白身で軟らかく、脂っぽい上に殆ど味がないので、食用には適さないとされる。
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